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「ロボット支援前立腺全摘除術」について
産業医科大学泌尿器科では、転移のない局所前立腺がんに対する手術療法として、従来行っていた開腹前立腺全摘除術と腹腔鏡下前立腺全摘除術に加え、手術支援ロボット「ダヴィンチ(daVinci)」の最新機種であるdaVinci Xiを用いた、「ロボット支援前立腺全摘除術」を2018年から標準治療として行っています。 ロボット支援手術とは? 手術支援ロボット「ダビンチ(daVinci)」は、内視鏡や鉗子と接続しそれらを動かす「ペイシェントカート(写真@)」、手術中の画像が映し出される「ビジョンカート(写真A)」、ロボットの操縦席である「サージョンコンソール(写真B)」の3つの機器によって構成されています。 ロボット支援手術では従来の腹腔鏡手術と同じように、いくつかの小さな穴からロボットに接続した内視鏡や鉗子を挿入し、それを泌尿器科医の操作して手術を行います。 ロボット支援手術の特長 身体への負担が少ない 数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。 鮮明な3D(3次元)画像 術者が手術中に見るコンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。このことにより、より繊細な構造を確認することが可能となります。 精密な動きを再現 医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。 ダビンチの鉗子は複数の関節構造を持ち、人間の手より大きな可動域を有し、さらに術者の手ぶれを補正する機能を備えています。 ロボット支援前立腺全摘除術のメリット 従来の手術(開腹前立腺全摘除術、腹腔鏡下前立腺全摘除術)と比べ、以下の点が優れていると言われています。 勃起機能の温存・回復 排尿機能のより早い回復 出血の抑制および輸血の必要性の低減 直腸を主とする他臓器損傷の低減 入院期間の短縮 よくある質問 ロボット手術は危険ではないのですか? A1. ダビンチ手術は、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ医師によって行われます。医師をサポートするのが ロボットの役割で、ダビンチ自身が勝手に動作することはありません。 医師がロボットを活用し、より精緻に行う手術とお考えください。 また、ダビンチは今日までに世界中で約300万件(2016年1月現在)のさまざまな外科手術で使用されています。 高額な費用がかかりますか? A2. 前立腺がんにおいては、2012年4月より健康保険が適用となりました。 また高額療養費制度も適用されます。 さいごに この度のロボット支援前立腺全摘除術が加わることにより、当科では現在本邦で保険適応のある前立腺がんに対する治療のほぼ全てを行うことが出来るようになりました。 私達は、患者さんの前立腺がんの病状、年齢や合併症など身体の状況、ご希望などを鑑みて、患者さんそれぞれに応じた最善の治療を提供致します。
2025.01.21 診療について
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一般社団法人 National Clinical Database(NCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について
2018年4月 産業医科大学病院 泌尿器科当科は、一般社団法人 National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業 に参加しています。この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い 申し上げます。 1.NCD に登録する情報の内容 2018年4月1日以降、当科で行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCDに患者さんのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないIDを用いて登録します。IDと患者さんを結びつける対応表は当科で厳重に管理し、NCDには提供しません。 2.登録する情報の管理・結果の公表 登録する情報は、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないものですが、 患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。当科及びNCDでは登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報の保護に関する法律」、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。データの公表にあたっては、NCD が承認した情報のみが集計データとして公表されます。 登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。 3.登録の拒否や登録情報の確認 データを登録されたくない場合は、登録を拒否して頂くことができます。当科のスタッフにお伝えください。また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当科のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日 常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。 4.NCD 担当者の訪問による登録データ確認への協力 当科から NCD へ登録した情報が正しいかどうかを確認するため、NCD の担当者が患者さんのカルテや診療記録を閲覧することがあります。当科がこの調査に協力する際は、NCDの担当者と守秘義務に関する取り決めを結び、患者さんとIDの対応表や氏名など患者さんを特定する情報を院外へ持ち出したり、口外したり することは禁じます。 本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。一般社団法人 National Clinical Database(NCD)ホームページ
2025.01.21 診療について
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第126回九州泌尿器科連合地方会 田中敏信
この度2024年10月19日長崎市で開催された第126回九州泌尿器科連合地方会学術集会に参加しました。医師3年目(後期修練医1年目)の田中敏信です。私は診断上興味ある症例のセッションにて腎で発表させていただきました。 泌尿器科に進んでからの学会発表は初めてでしたが、準備期間から勉強になることが多数ありました。当初はガイドラインに載っていることでさえ知識が曖昧な部分がありましたが、今回発表するにあたりガイドラインのエビデンスの網羅は勿論のこと、論文を多数引いて知識を深めるように試みました。準備期間には医局の先生方のご厚意で予行演習を何度もしていただきました。論文の調べ方からスライドの流れ・構成に至るまで、様々な先生のお力添えをいただき、本当に感謝してもしきれません。本番では予行演習をしたおかげで落ち着いて臨むことができました。 今回学会発表を通じて、様々な学びの機会を得られたことに感謝申し上げます。次回の学会発表では更なる成長した姿を見せたいと思っております。日々の臨床業務にも研究する姿勢を忘れず日進月歩で励んでいきたいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。
2025.01.21 ブログ
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第314回日本泌尿器科学会福岡地方会 本行遼太
はじめまして、今年度から入局した3年目の本行遼太と申します。2024年7月20日に福岡市電気ビル共創館で開催されました日本泌尿器学会福岡地方会第314回例会に参加致しました。私は「悪性褐色細胞腫に対してCVD療法を施行した3例」という演題で、泌尿器科に入局して初めての学会発表をさせて頂きました。限られた時間で3症例を提示する内容で、無駄を削ぎ落としつつ明確なメッセージが伝わるようなスライドを作るのがとても大変でしたが、水嶋先生をはじめとして医局員の皆様方に多数の御指導を頂いたおかげでなんとか完成に漕ぎ着け本番に臨むことができました。研修医の頃にも学会発表させて頂く機会はありましたが、今回の発表ではガイドラインだけでなく、より専門的な内容や新規承認された治療について多数論文を収集し、深く勉強する必要がありました。専門科として学会発表することの大変さを実感しました。地方会当日は緊張しましたが、諸先生方から励ましのお言葉を頂いたおかげで無事に発表を終えることができました。次回は2025年2月22日に北九州国際会議場で当科主催にて開催されます。最後に、このような発表の機会を頂き、感謝の言葉を申し上げます。今回の発表を通して論文検索やスライド作りなど大まかな流れを掴めたように感じておりますので、次回の発表の機会にはより良い内容にできるよう頑張りたいと思います。
2025.01.21 ブログ
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第314回日本泌尿器科学会福岡地方会 坂東太郎
2024年7月20日に電気ビル未来ホールにて行われました日本泌尿器科学会福岡地方会第314回例会に参加してきました。私は、2023年より当科で導入した前立腺MRI-fusion biopsyの初期成績について報告しました。日々医療技術の進歩は目まぐるしく、MRI-fusion biopsyは2022年に本邦で保険適応となった、前立腺癌を検出する新しい生検方法です。研修医から専門修練医になったばかりの私は、恥ずかしながらテーマを頂くまで名前すら聞いたこともありませんでしたが、前立腺生検について学習する良い機会となりました。2024年からは分院である若松病院で積極的に実施するようになったため、データ収集に関しては山村先生に多数協力いただきました。また、データの解析にあたってご助言を頂戴した松本正広先生、発表スライドを直接ご指導いただいた城嶋先生をはじめ、医局の先生方に感謝しております。 発表の方ですが、今後の検討の材料となるご質問をいくつかいただきまして、大変有意義なものとなりました。今回の学会発表を通して、必要な情報を選択し、分かりやすく伝えることの大切さを学びました。学んだことをこれからの臨床業務に活かしていきたいと思います。
2025.01.21 ブログ
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