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上級医の視点から

2025.06.9 ブログ

先日は修練医のはじめての全国学会発表報告でしたが、

指導医クラスの先生にも報告を行ってもらいました。

『第112回日本泌尿器科学会総会 学会参加報告 永田 祐二郎

 

2025年4月17~19日博多で開催された第112回日本泌尿器科学会総会に参加し発表させていただきました。私は「Immunohistochemical Expression of p53 and FGFR3 is a Potential Biomarker for Predicting Response to Enfortumab Vedotin in Metastatic Urothelial Carcinoma」という演題でした。

尿路上皮癌(UC)においてEnfortumab Vedotin(EV)はkey drugとなっています。しかし、UCはゲノム的にも分子的にも不均一な腫瘍で、この不均一性とEVの効果との関係はほとんどわかっていません。今回、UCの代表的な変異遺伝子であるTP53FGFR3がそれぞれコードしているp53とFGFR3蛋白発現と、EVの有効性との関連を検討しました。予想通り、一定の意義は見出せましたが、今後はそのメカニズムに迫る基礎研究を行い、臨床におけるUC治療戦略への介入ができればと考えています。

発表が初日午前でしたので、その後はリラックスして学会を楽しみました。特に、留学中の上司である米国Rochester大学・宮本浩先生のInvited Lectureは、5年ぶりの再会ということもあって、本当に楽しみにしていました。宮本先生の洞察力と聡明さはますます磨きがかかっており、美しいご講演内容でした。その後、日米の師と写真撮影でき、とても幸せな時間を過ごせました(写真左:宮本教授、中:藤本名誉教授)。他にも、ロボット支援根治的前立腺全摘除術のエキスパートであるVipul Patel先生のご講演を拝聴できたこと、国内のトップランナーの先生方と知り合い情報交換できたことは大変刺激になりました。

今後も面白そうな学会に参加していこうと思います。』

2024 © Department of Urology, U.O.E.H.